相良です、今回はクワッド個人規定です。
北海道でも競技大会でクワッド規定が定番になってきました。元々のコンセプトは、「クワッドをもっとみんなに知ってもらおう。そして広めよう」と、いうのがそもそもの狙いでした。
できればもっと多くの方に楽しんで頂きたいので、ここでは注意すべきポイントをいくつかご紹介します。
皆さんはクワッドを飛ばしたとき、全然動かなかったり、あらぬ方向に行ったり、落ちてばっかりという経験はありませんか?これには理由があります。
- 1. クワッドは動きが鈍い
デュアルラインからカイトを始める方がほとんどだと思いますが、昔と比べてその性能は格段に向上しました。
しかし、クワッドは10年以上もの間レボリューションのみの市場でした。
これはひとえに、レボリューション社が非常に高性能のカイトを開発してしまったため、他の追従を許さなかったからでしょう。
やっと近年になって、シナジー社などが出てきましたが、思った以上に市場は伸びてません。
しかしながら、いくら名機とはいえその設計コンセプトはすでに古く、最近のカイトとはすでに格段の差が出来てしまいました。
反応速度は、カイトの大きさとロッドの強度に大きく関係します。特に、「REVO 1」は全長3mにも及ぶビックカイトです。これがきびきび動くのも気持ち悪いと思いませんか?
日本のトップフライヤーは動きが異常に速いのが好きな方が多かっただけで、本来はそういう動きをするために作ったものではありません。
気分的には、今のデュアルラインを40〜50mのラインで操作するぐらいの感覚だと思って下さい。
- 2. 動き始めたと思ったら変な方向に行く
これも反応速度に関係しますが、それ以上にクワッドは一度風をはらむと走り出すという特性を持ってます。
これを抑えるには、狙った方向に風を流してやる動作が必要です。デュアルにはない操作です。
デュアルは2本のラインを保持しているだけで真っ直ぐ飛びますが、クワッドはあらゆる方向に流すことのできるカイトですから、フライヤーが進む方向を示さないと、うまく動きません。
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注) ただ両方の手首を曲げただけではまっすぐ飛びません。
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- 3. すぐに落ちる>
デュアルでも同じですが、機首が下を向くと一気に加速して地面に激突します。これは単に重力のせいで、別に不思議なことではありません。
ただし、レボリューションの場合はちょっと違ってリーディングエッジに重心が集まってます。だからいったん下を向くと真っ逆さまに落ちる訳です。これを防ぐには、ただ単に慣れです。
自転車のように、そのうち落ちなくなります。
悪いことばかり書いてますが、もちろんいい面もあります。
- 1. 落ちてもだいたい復活する
常に4本のラインにテンションがかかっていれば、すぐに起きあがれます。わざわざ30mダッシュしなくてもOKです。
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- 2. スピードコントロールが容易
なれれば簡単にスピードを落とすことが可能です。
- 3. 迷ったら止まる
急ブレーキも容易なので、変な方向に行きそうだったらストップをかければ止まります。
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普段の注意点はこんな感じです。
- 1. スピードを出しすぎない
前記のとおり、一度風をはらむと一気に走り出します。これを防ぐためにもゆっくりとした動作が必要です。
「バサバサ」という音が出たら、スピードの出し過ぎです。レボはほとんど音がでません。
- 2. 一度はらんだ風を逃がさない
風をしっかりはらんでる状態が一番ベストです。これを逃がさないように、しっかり保持してやることが大切です。
特に弱風時は大変です。スタートしたら徐々に後ろに下がります。クワッドの規定で前にでることは、稀です。
- 3. 回転系の動作は最後に必ず逆の動作が必要
よく見かけますが、ターンが終わった後ふらつきが目立つ方がいます。
これは、クワッドは基本的にキビキビとした動きが苦手で、狙った角度に来た時に動作をやめても、慣性が働き更に動いてしまうからです。
これを防ぐには逆の動作を入れます。
たとえば右90度の回転をする場合は、狙った位置の直後で約10度くらい左に回転するつもりの動作をします。そしてすぐにニュートラル状態に戻すと、狙った位置に向いてます。
僕が「ノックをするように」とか、シングルプルとか、ダブルプルとか言っている動作です。
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- 4. 方向や風の角度によって手の角度は一定ではない
手の動きを参考にしようと、僕の手元を見てる方がいますが、あまり参考にはならないでしょう。なぜなら、常に風の状態で動かす角度は変化するからです。
ストールが出来る方ならお分かりでしょうが、停止している間も常に手は動いてます。
クワッドは風をはらむと、それを逃がそうと動き出しますので、これを抑えつけなければならないからです。
風の強弱や、吹く方向は常に一定ではないので、当然カイトが動こうとする方向は違います。
それを手にかかるテンションと、カイトの微妙な動きや、体にかかる風を読みながら先に動かしているのです。
また、当然ながら動くときも同じで、真っ直ぐに揚がろうと両方の手首を同じように動かしても、直線には行きません。微妙にズレルはずです。
これを体得するには、猛練習しかありません。でも、一度コツをつかむと意外と簡単に出来てきます。
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余談ですが、僕の扱う「SHOCK WAVE」は今までのレボシリーズとは全く違います。
特に規定での大きな違いは、前進させるときに適当に手首を動かしても、だいたいまっすぐ飛んでくれることです。Vol.3のカイトチューニングを見ていただければ分かるでしょう。
また、反応速度は速く、普通にターンしてもだいたい回転しすぎています。スピンは容易で、簡単に中心を見せることが出来るでしょう。
クワッドも着実に進化しているのです。フライヤーも負けずに進化しましょう。
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