V. 審査基準及び採点方法

  1. 一般事項
  2. 同点スコア
  3. 競技様式
  4. 競技の詳細及び要点

V−A.一般事項

  1. 本章では、各競技種目の内容、各種目毎に規定された審査基準、採点方法、 スコア集計に使用される加重要素について述べる。

  2. ジャッジ・パネル(審査員団)

    1. 全ての公認競技会において、各予選では最低3名(上限は無し)、 そして決勝では5名(上限は無し)のジャッジにより審査が行わなれるものとする。

    2. 競技主催者は、スタッフの数が許せば5人編成の審判団員を作る。 審判団員には、経験豊かな審判が最低3人必要である。 つまり、5人以上で編成される審判団では、 少なくとも全体の5割以上の審判が経験豊かでなくてはならない。 5人以上で編成される審判団が起用された場合、 各要素における最も高い得点と最も低い得点は計算から除く。 5人よりも少ない人数で編成された審判団が起用された場合は、 全員の得点を保持する。 一つの審判団員の審判員全員が経験豊かなときは、 主審の判断により全員の得点を保持することができる。
    3. ジャッジ・パネルは、一旦競技の審査を開始したら、 担当種目の競技が全て終了するまで、 必ず同じジャッジで一貫して審査に当たらなければならない。 万が一ジャッジが担当種目の審査を最後まで行わなかった場合、 そのジャッジの採点したスコアは全て抹消され、 他のジャッジのスコアを全て採用して集計を行う。 (例えば、5名のジャッジ・パネルでは、残り4名のスコア全てを勘定し、 3名のジャッジ・パネルでは、残り2名両方のスコアを勘定する。)

  3. 採点要素:それぞれの種目において、 採点要素には最終スコアに対する百分率で加重要素が配分されている。 一人のジャッジが採点できる最高得点は100点となる。 各競技者の最終スコアは平均値を単純計算し、0 〜 100の範囲で表される。 (各ジャッジのスコアを合計したものをジャッジの人数で割る)

  4. 採点の構成要素は、それぞれ0〜10の間で(0.1) ポイントきざみに採点される。








V−B.同点スコア

スコアラーが最終スコアを集計した結果、2名(組)以上の競技者が同点となった場合、以下に記す方法を順を追って適用して順位を決定する。

  1. 初期の集計でジッャジの最高及び最低得点が省かれている場合、 これらを追加し直して最終順位を決定する。

  2. この時点でも同点が存在する場合、 または最高及び最低得点がすでに初期の集計で含められていた場合は、 以下の方法で順位を決定する。

    1. 標準配列規定においては、 フリースタイルの「技術(Technical)」の得点が高い競技者を上位とする。

    2. リーグ形式の規定においては、コンパルソリーの合計得点が高い競技者を上位とする。

    3. バレーにおいては、「振りつけ(Choreography)」の得点が高い競技者を上位とする。

    4. フリー・スタイルにおいては、「スタイル(Style)」の得点が得点が高い競技者を上位とする。

  3. 以上をもってしても同点となる場合には、同順位を正式記録とする。








V−C.競技様式

  1. 規定種目

    規定種目は、標準またはリーグ(連合)形式を用いて実施される。 それぞれの形式に関する詳細は以下に規定する。 イベント・オーガナイザーは、その主催する競技会における全てのクラスに関して、 いずれの形式を用いるかの選択を行うことが出来る。 競技者は、競技会の開催される少なくとも30日以前に、 どちらの形式が用いられるかの通知を受けていなければならない。

    1. 標準形式

      標準的な規定種目は、コンパルソリー及びフリースタイルの2要素で構成される。 コンパルソリー要素において競技者は、 あらかじめ選択されたマヌーバーまたは図形を正確にフライトする技術を試される。 競技者は課題のコンパルソリー・マヌーバーを競技会の事前に知らされる。 フリースタイル要素において競技者は、 スポーツカイトのフライト技術の正確さを試される。 この場合のマヌーバー選択は、競技者個人またはチームの裁量に任せられる。 この採点では、競技者の演技の組立て方や表現力に焦点が置かれる  −− 例えば、1つのマヌーバーまたは1連のマヌーバーから次へ移行する動き(トランジション)を含む演技、 さまざまな難易度のマヌーバーを取り入れた演技、 競技者の総体的な技術レベルを反映している演技等。 両要素は、共に音楽伴奏なしでフライトを行う。

      オーガナイザーは、 コンパルソリーまたはフリースタイルいずれの要素を先にフライトするかの決定を行うが、 一旦競技が開始された後は、 全ての競技者に対して同じ形式を採らなければならない。

    2. リーグ形式

      リーグ形式の規定種目には、2つの目的が設けられている。 第1に、リーグ形式では、標準形式の半分程度の所要時間で済むため、 参加競技者の多い競技会において、競技の運営時間を節約すること。 第2に、こうした競技への新しいアプローチを試みることによって、 規定種目に対する人々の関心を活性化することである。

      イベント・オーガナイザーは、 各クラスに対して4つのコンパルソリー・フィギュアを出題し、 競技者が競技会への登録(レジストレーション)を行う際に、 それらの課題を通知する。 それらの課題フィギュアは提示されている順番で、 フィギュア間にトランジション(移行する動き)を盛り込んで、 次から次へとフライトを行われなければならない。 こうすることで、規定フリースタイルに相似した、 「始まり、中間、終わり」を兼ね備えたミニ・ルーティーンを創造することになる。 ルーティーンに課せられた制限時間は3分間とする。 このような方法で競技を行うことにより、 競技者に通常の規定種目の場合に比べて、 総体的に多くのフライト時間を与えることが出来、 また、ジャッジの審査時間を大幅に削減することが出来る。

      トランジションの動きは、競技者によって創作され、 コンパルソリー・フィギュアに添って流れるように設計されるべきである。 リーグ形式競技の主旨として、 競技者には、トランジションを創造的に構成することが奨励される。 1つのフィギュアから次への移行を直接的な動きで行うことも勿論可能ではあるが、 上手に考案されたトランジションの方がより高い得点となる。 ルーティーンとして創造的であればある程、その得点も高くなる。

      コンパルソリー・フィギュアの採点方法は、通常と全く同じように行われる。 それらに加えて、フィギュア間のトランジションが採点される。 この部分を「連続性(Continuity)」のスコアといい、 その配点は、コンパルソリー・フィギュア1つ分に相当する。 ジャッジは、4つのコンパルソリー・フィギュア及び「連続性(Continuity)」の採点を記録し、 それらのスコアを合計したものを5で割って最終スコアを導き出す。

  2. バレー種目

    バレー種目は、規定された制限時間内において、 音楽伴奏に合わせて自由にフライト演技を行う競技である

    1. 伴奏用の音楽テープ

      1. 競技者は、自分(達)の音楽を通常のカセットテープに一度だけ (ルーティーンに使用する1曲のみ)録音したものを競技用に準備する。 性的に猥褻感を明示するような歌詞を含む音楽を使用した場合には、 演技の即刻中止及び競技者を失格とする。 テープは曲の頭出しをした上で、 競技者名及びカセット伴奏面を明記したラベルを貼る。 音楽に特に関係のないナレーションを含むテープの使用は、 禁じられている。 (注:CDの使用を希望する競技者は、 事前にイベント・オーガナイザーに問い合わせてCDプレーヤーの利用状況を確認すること)

      2. 音楽テープ(またはCD)は、 競技前のパイロット・ミーティング時に点呼を取る フィールド・ディレクターによって回収される。 そして、点呼を取り終えたフィールド・ディレクターによってサウンド・エンジニアに手渡される。 点呼に出席しない競技者は、自分(達)の責任において、 音楽テープを確実にサウンド・エンジニアへ提出しなければならない。

      3. 競技者は、競技用の音楽を2曲まで提出することが出来る。 これには2本の音楽テープを使用するため、 予備のテープにそれと分かるラベルを貼ってサウンド・エンジニアの混乱を避ける。 予定していた曲から予備の曲への変更依頼は、 ステージイン・エリアで待機中に自分(達)の2出番前までにピットボスを通じて行う。 (例外:ウインドルール・ディレイ[II 章D.5.c.]が宣言された場合、 競技者には音楽の変更が認められている。 この場合、競技者はフィールド上にあっても、 サウンド・エンジニアに依頼して予備のテープを使用することが出来る。 しかし、一旦ウインドルール・ディレイが解除された後の追加変更は出来ない。

      4. 競技者は、演技終了後速やかにサウンド・エンジニアの所へ行き、 テープの返却を受ける。

  3. フリー・スタイル種目(旧イノベーティブ)

    この競技様式には、競技者及びカイト両者への審査が含まれる。 演技には、音楽伴奏の有無も任意であり、さまざまな小道具、衣装、 及び脚本を伴うことが認められており、 以前までのイノベーティブに取って代わる種目である。 (規定フリースタイルとの混乱を避けるために中黒を用いて「フリー・スタイル」と表記される) これは、スポーツカイトの革新者達によって、その娯楽性に、 より多くの焦点を当てようとする最新の試みであり、真の意味での自由形式種目と言える。 競技者には、準備、演技、撤収を含めて合計15分間が与えられ、 かつ、演技時間は5分を越えないものとする。 当該種目においてプレフライト・ミーティングは行われない。 競技者は、フィールド上でのアシスタントを何名でも起用することが出来るが、 演技中にフライトを行うのは競技者のみとする。 審査は、経験のある3名のジャッジ・パネルに加えて、 演技の娯楽度を審査する5〜10名の観客によって構成される観客審査団によって行われる。 観客審査団は、演技の表現力及びテーマの明確さを審査する。 然るべき人数の観客が確保出来ない場合には、 ノービス及びインターミディエート・クラスの競技者が観客審査を代行してもよい。

 








V−D.競技の詳細及び要点

  1. 標準形式による個人規定種目(デュアルライン&クワッドライン)

    1. コンパルソリー・フィギュアの数:  3 〜 5

    2. フリースタイル部分の許容時間:   30秒 〜 2分

    3. 採点要素及び加重配分:(総合得点100%に対して):

      コンパルソリー・マヌーバー  60%
      フリースタイル技術点     30%
      フリースタイル芸術点     10%

    4. 採点要素の詳細:

      1. コンパルソリー・マヌーバー(Compulsory Maneuvers):

        事前にフィールドディレクターに知らせておけば、 どちらの方向からもフィギュアを飛ぶことができる。 フィールドディレクターは、この事をジャッジに知らせておく。 また演技するフィギュアの各部分は、 図表上に記された対応部分に対して正確な割合とならなければいけない。 コンパルソリー・フィギュア(の累積得点)は、 全体のスコアに対して60%を占める。 (例:3つのフィギュアが出題された場合、各フィギュアはそれぞれ全体の20%を占める。)

      2. フリースタイル技術点(Freestyle Technical):

        技術点の構成要素を以下に規定する。

        実行力(Execution)
        正確性、コントロール、タイミング、スペーシング(カイト間の間隔の取り方)。個別に認識できるマヌーバーが、各自どの程度演技できたか。これらが技術点の半分               を占める。

        難易度(Difficulty)   
        マヌーバーの複雑さ、斬新なマヌーバー、高技術を要するマヌーバーの使用。これらが技術点の残りの半分を占める。

      3. フリースタイル芸術点(Freestyle Artistic):

        芸術点の構成要素を以下に規定する。

        内容(Content)
        マヌーバーの多様性、独創性及びその種類の多さ。 これらが芸術点の半分を占める。

        連続性(Continuity)   
        ルーティーンにおけるマヌーバーから次のマヌーバーへの流れるような構成(トランジションの有効性)。 これが芸術点の残りの半分を占める。

  2. リーグ形式による個人規定種目(デュアルライン&クワッドライン)

    1. コンパルソリー・フィギュアの数:  4

    2. フリースタイル部分の許容時間:   30秒 〜 3分

    3. 採点要素及び加重配分:(総合得点100%に対して)

      コンパルソリー・マヌーバー  80%
      連続性            20%

    4. 採点要素の詳細:

      リーグ形式で規定種目を実施する目的は、 競技者に完結した、独創的、かつ楽しめるルーティーンを創造する機会を提供することにある。

      1. コンパルソリー・マヌーバー(Compulsory Maneuvers):

        競技者は、それぞれ提示された順番に、 描かれている図形に忠実にコンパルソリー・マヌーバーをフライトする。 演技するフィギュアの各部分は、 図表上に記された対応部分に対して正確な割合とならなければいけない。 また、実際に演技するフィギュアは、 ごばん目上に描かれたフィギュアを正しく反映する大きさでフライトする必要がある。
        競技者は演技が始まるときは「イン」コールを、 各コンパルソリーの始まりに「イン」コールを、 そして全演技が終了したら「アウト」コールをかける。

      2. 連続性(Continuity):

        連続性は、コンパルソリー・フィギュア間の移行部分(トランジション)を採点するためにある。 即ち、トランジションが独創的である程そのスコアは高くなる。 各トランジションは、個別に採点されるものではなく、 全てのトランジションを総合的に審査した採点がここでの得点となり、 上述のコンパルソリー・フィギュア1つ分の採点に相当する。 トランジションの創作に関する構成等の規制は、特に設けられていない。 唯一規定されているのは時間の制限だけで、 全てのコンパルソリー・フィギュアを3分以内に演技終了させなければならない。

        必須課題のフィギュア演技中に起きたグラウンドタッチ等に関しては、 「標準形式の個人規定」と同様のペナルティーが適用される。 また、「インプロパー・エンディング」 (
        IV章D項)に関するペナルティーも適用される。

  3. チーム規定種目(デュアルライン&クワッドライン)

    1. コンパルソリー・フィギュアの数: 2 〜 3

    2. フリースタイル部分の許容時間:  2 〜 5分

    3. 採点要素及び加重配分:(総合得点100%に対して)

      コンパルソリー・マヌーバー  30%
      フリースタイル技術点     45%
      フリースタイル芸術点     25%

    4. 採点要素の詳細:

      1. コンパルソリー・マヌーバー(Compulsory Maneuvers):

        事前にフィールドディレクターに知らせておけば、 どちらの方向からもフィギュアを飛ぶことができる。 フィールドディレクターは、この事をジャッジに知らせておく。 演技するフィギュアの各部分は、 図表上に記された対応部分に対して正確な割合とならなければいけない。 また、各チームメンバーのカイトは、 それぞれ他のメンバーのカイトに対して正確な方位 (正確なスペース間隔及び位置関係)にあるべきである。 コンパルソリー・フィギュア(の累積得点)は、 全体のスコアに対して30%を占める。 (例:2つのフィギュアが出題された場合に、 各フィギュアの占める割合は全体の各15%づつとなる。 

      2. フリースタイル技術点(Freestyle Technical) :

        技術点の構成要素を以下に規定する。

        実行力(Execution)    
        正確性、コントロール、タイミング、 スペーシング(カイト間の間隔の取り方)。 個別に認識できるマヌーバーが、各自どの程度演技できたか。 これらが技術点の半分を占める。
        クワッドラインに関して、競技者がクワッドフライに特有のマヌーバーを いかにうまく表現したかを含める。 つまり、逆フライト、スピードコントロール、サイドツーサイド運動、 軸スピン、ストール、ホバーなど(例:クワッド「効果」)

        難易度(Difficulty)
        マヌーバーの複雑さ、斬新なマヌーバー、高技術を要するマヌーバーの使用。これらが技術点の残りの半分を占める。

      3. フリースタイル芸術点(Freestyle Artistic):

        芸術点の構成要素を以下に規定する。

        内容(Content)      
        マヌーバーの多様性、独創性及びその種類の多さ。 これらが芸術点の3/4を占める。

        連続性(Continuity)   
        ルーティーンにおけるマヌーバーから次のマヌーバーへの流れるような構成(トランジションの有効性)。これが芸術点の残りの1/4を占める。

        特記事項:チームを構成するメンバー数の多さは、 必ずしも高得点に結びつくものではない。 チームは、あくまでも単一体として見なされ審査される。

        Pairs/Team Composition(ペア/チームの構成): メンバーの構成は、 一旦ペアまたはチームが演技のためフィールドに出たらメンバーチェンジは出来ない。

  4. バレー種目(デュアルライン&クワッドライン)

    1. 採点要素及び加重配分:(総合得点100%に対して)

      振付け    60%
      実行力    40%

    2. 許容時間:
      最小 2分
      最大 4分(個人種目に関して)
      最大 5分(チーム/ペアー競技に関して)

    3. 採点要素の詳細:

      1. 振付け(Choreography):

        ルーティーンの構成またはその流れ。 マヌーバーから次のマヌーバーへのトランジションの独創性。 ルーティーンにおける、音楽のテンポ及び雰囲気の解釈、 また、その構成における音楽活用の有効性。 任意のマヌーバーによって表現される創造力及び構想力。

      2. 実行力(Execution):
        ルーティーンを通じて、 競技者がいかにカイトを巧みにコントロールしてフライトしているか (コントロール) また、いかにカイトの動きを音楽に合わせているか(タイミング)。

        ペアー/チームに関しては、ルーティーン全体を通じて、 いかにカイト同士の間隔がきちんと取れているか(一貫性) また、識別可能なそれぞれのマヌーバーをいかに上手に演技したか(正確性)。

        クワッドラインに関して、競技者がクワッドフライに特有のマヌーバーを いかにうまく表現したかを含める。 つまり、逆フライト、スピードコントロール、サイドツーサイド運動、 軸スピン、ストール、ホバーなど(例:クワッド「効果」)

        特記事項:チーム・バレー競技において、 チームを構成するメンバー数の多さは、 必ずしも高得点に結びつくものではない。 チーム及びペアーは、あくまでも単一体として見なされ審査される。

  5. フリー・スタイル種目(旧イノベーティブ)
     
    1. 採点要素及び加重配分:(総合得点100%に対して)

      演技構成      30%
      スタイル      30%
      パフォーマンス度  20%
      観客審査      20%

    2. 許容時間:

      最小 3分
      最大 5分(演技部分のみ)

    3. 採点要素の詳細:

      1. 演技構成(Program Element) :

        競技者は、主題の首尾一貫したルーティーンを創作するために、 演技を構成する要素として、音楽及び各種の小道具を使用することが出来る。 演技構成の審査には、競技の性格上酌量の余地が与えられる。 こうした小道具が、いかにルーテーン全体に貢献しているかによって、 その活用の有効性を審査する。 物語のナレーションが入っている音楽の使用及び演技のために然るべき背景のセットを 使用することが認められている。 また、これらを演技の一部分として適切かつ有効に利用出来た場合には、 演技構成のスコアが高くなる。 全ての場合において、演技を構成する要素は、 いかにそれらが演技の主題(テーマ)の支持に貢献しているかによって採点される。

      2. スタイル(Style)

        スタイルとは、演技が呈示される様式のことを指し、 振付け、実行力、及び一貫性といった要素から成る。 スタイルとはテーマの解釈のことで、 それらは、いかに演技構成の要素との相互作用を図るか、 また、いかにルーティーンを構成しているか、 競技者の呈示するカイトの操縦性の高さ、 そして、それらのテーマとの関連性によって審査される。 スタイルによって各要素がルーティーンに生かされてくる。

      3. パフォーマンス度(Performance)

        パフォーマンス度とは、 ルーティーンが「総体的な視覚に訴えるインパクトの大きさ」である。 ここで審査されるのは、演技の明瞭さ、主張、 及びテーマがどのように表現されているかである。 この採点によって、ルーティーンの娯楽性を測る。 総体的なインパクトが熟考されるため、演技全体が審査対象となる。 観客が見てどう感じるか、例えば、演技の情感に与えるインパクト、 独創的な表現力等。 上記の演技構成及びスタイルにおける累積結果によりフォーマンス度の高さを測る。

    4. 観客審査基準

      1. 娯楽性(Entertainment)   

        観客により構成される審査団は、演技がいかに面白く、 そして魅了的かということを踏まえて、 そのエキサイティングさ(刺激度、興奮度)を採点する。

        採点は数字ではなく、 「最高だった」「あまり良くなかった」など 審査用紙にある評価項目をチェックする方法で行われる。

      2. テーマ(Theme)

        審査団は、ルーティーンに然るべきテーマが盛り込まれているかを評価する。 テーマとは例えば、メッセージであったり、新しいフライトスタイルの呈示、 または1つの観念を中心に演技を展開、等である。

        採点は数字ではなく、 「最高だった」「あまり良くなかった」など 審査用紙にある評価項目をチェックする方法で行われる。

      3. 明瞭性(Clarity)

        審査団は、ルーティーンのなかでテーマがいかに明確に確立できているか、 また、そうした観念を競技者がいかに明瞭に表現しているかを評価する。

        採点は数字ではなく、 「最高だった」「あまり良くなかった」など 審査用紙にある評価項目をチェックする方法で行われる。